2007年3月9日金曜日

談合、今度は自主申告か、6社が次々と、自首、

いまは耳にすることのない言葉に(火事師)がある。火災を消し止める役目を任された人のことをいい、昔ならば火消しの衆、
現代ではさしずめ消防士だろう。やり手腕利きの人を称していう(仕事師)はいまでも、会話や文章のなかで用いられる。ものの本によれば、昔の江戸っ子は(ひ)と(し)の区別が不得意で、(火事師)がいつしか(仕事師)に変化したという説もあるらしい。世間には(不正)という災を相手にする火事師の集団もある。談合の災ならば各自治体に防火を訴え、指導し、目を光らせ、煙があがったと見るや電光石火で消し止める火事師は、国土交通省である。火消しの頭領が火付けの罪状を暴かれたのも同然だから、恥もここに極まれりだろう。水門設備工事をめぐる談合に深く関与いたとして国土交通省はきのう、公正取引委員会から官製談合防止法にもとずく改善処置を求められた。蛇の道は蛇で、談合防止の総本山である国交省の(火消し)兼(火付け)の実態には、業者や自治体も薄々は気ずいていただろう。各地で業者選定の、天の声、が後を絶たなかったのも不思議ではない。公取委の改善要求に省を挙げて正面から取り組むか。表面から取り繕うか。談合の根絶も、灰になった信頼の回復も(し)と(ひ)の区別にかかっている。

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