2007年3月8日木曜日

昔ばなしは、人生の真実を語ります。

昔ばなしは、子供や若者を主人公にする場合、その主人公がさまざまに変化しながら成長していく過程を語るものが多くあります。その内容は、人間の成長のいろいろな場面における残虐な場面も含め、けんかもするし、だましたりもするし、という現実の姿を語っています。(三匹のこぶた)では、狼とこぶたが食うか食われるかの戦いをする。生き物の自然な姿を描いた物語なのです。しかし、残虐な内容と思われることも実態を抜いてさっぱりと語ります。子供というのは、ほっぽりだされていて、けんかしたり、助け合ったり、悪知恵をだし合ったりして、たくましく育っていました。昔ばなしは(人間は自然の中で一生懸命、自分の文化の場所をつくって生きてきたんだよと)とかたるのです。昔話を語るとき、大人と子どもは必ず近くにいます。それによって一体感、信頼感が生まれてきます。それが実は、昔ばなしの語りのもっとも大切な意義なのです。

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