2009年4月21日火曜日

カネがないからタリバンに

(頭を下げろ)アフガン国境に近いペシャワル南部。未舗装の道を車で移動中、現地で雇った案内人が叫んだ。アフガンの旧支配勢力タリバンや国際テロ組織アルカイーダが拠点を築く政府直轄部族地域まで2キロ。銃を持つ男が300メートル先で別の車を制止していた。タリバンの(検問)だ。外国人がいると分かれば危険は増す。道端に停車し、様子をうかがううちに男はいなくなった。タリバンは、歌などの娯楽を反イスラム的として禁止している。検問を受けたシャヘド、ハンさん(45)は音楽テープをもっていたため、500ルピー(約600円)を徴収された。やつらは家の中まで押し入ってくる。服装が乱れていても、朝の礼拝を欠かしても500ルピーだとハンさんは怒る。
地球裁定
タリバンにはどうやら3種類ある。アフガンのタリバン、パキスタンのタリバン、そして金目当てのタリバンパキスタンに加わる理由の一つは貧困だ。麻薬密売や世界各地からのカンパを資金源とするアル、カイーダやタリバンから、現地の肉体労働者の月給とほぼ同額の6000ルピー(約7200円)が毎日支給される。住民の揉め事を調停すると8000ルピー(9600円)も徴収できる。日本政府はつい先日、パキスタン政府に1000億円を出した。自爆テロ、爆弾テロ、拉致、そして貧困が貧困を生む世界にはたして援助が行き届くだろうか、モハメド、ガシトさん(24)はこう漏らした(毎日が恐怖の連続だ。タリバンに加わった方が安心かも、貧困への後戻りよりも、死を選ぶということはあってはならない。

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